今日はODENが美味いなあ

まったりゆっくり更新中~。…今更MH3Gにはまってます。

トランジェントを私なりに弄ってみる。




どうも。
梨が美味しい季節になりましたね。ODENです。
おでんさん、梨大好きなんです。
あのシャクシャクといった食感に、口の中に広がる爽やかな甘み!
リンゴとはまた違った美味しさで、私自身のランキングではトップに....

はい、すみません。

...危うく果物レビュー(?)になりかけた所で、今日の本題。
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とあるイラストを、pixivで見つけました。
色々引っかかってしまうので何とは書きませんが、GBFのトランジェントガンダムをベースにしたイラストです。
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いやもう、とんでもないかっこよさでした。
元々トランジェントは好きな機体だった故、私の脳内にはGN粒子がドババと溢れました。

そんな中、脳内で
「なんならこんなトランジェントを作ってみよう」
という一つの考えが浮かびます。

...と、前置きはここまで。
完成した今回の機体が....

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この、「トランジェントバレット」になります。
pixivで見たあのイラストを参考に、自分なりに手を加えてみました。
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簡単に作ったノーマルなトランジェント(右)と比較。
全体的に装甲を追加した感じになってます。
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頭。
額の部分にプラ版を貼ってます。
センサーのシールも調整。
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胴体。
引き出しギミックを持つ軸受けパーツにエポパテを盛り、筆でペタペタ塗装。
その上に薄いプラ版を貼り付けました。
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肩〜腕。
こちらもプラ版を中心にディティールを追加しています。
コネクタ部にはコトブキヤのメッシュプレートを貼り付け。
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腰〜脚。
リアアーマーは削ってディティール追加、腿にはランナーを切り取って削った即興パーツを貼り付けました。
脛グレーパーツにはプラ版を貼ってます。
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バックパック。
尾のような可動部の付け根にAGE-1のバックパック受けを中心としたアームパーツを増設、追加のクリアパーツにはGNパルチザンの刀身を採用しました。
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武器はGNパルチザンそのまま。

では、ブンドドタイム!
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無難に「全国大会後、キジマ・ウィルフリッドがトランジェントを改修した機体」という設定ですが、あまり細かくは決めていません。
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肩の引き出しについては少々干渉しますが、特に不可もなく柔軟に可動します。
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折角なので、発売したばかりのカミキバーニングと闘わせてみます。

カミバニ、実際滅茶苦茶かっこいいっすw

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最後は未来へ羽ばたく私たちの翼を広げて〆。

という訳で、オリジナルにトランジェントを弄った「トランジェントバレット」の紹介でした。
何気に初めてのパテ採用。中々に楽しめた製作だったかなと思います。

...え、「ガンダム」が付かない理由?
ほら、アレですよ。
ダブルオーライザーみたいなアレです(意味不)。

ではでは。


最近棚に並んだ機体を振り返ってみる。



どうも。
最近とあるコンテストに応募してそわそわしてるおでんです。
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最近、ガンプラが色々増えました。
ポージングさせる余裕が無いほどに棚のスペースが無くなってきており、新しいカラーボックスが欲しいなと考えている次第であります。
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そこでそのまましまっておくのもどうかと思い、今回は最近棚に並んだ中でお気に入りの機体を振り返ってみたいと思います。
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トランジェントガンダム
文句無しにカッコイイ。顔を除けば。
文句無しに出来もいい。顔を除けば。
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いやまあ、ディスプレイもほんとかっこ良く決まるんですよ。顔も斜めから見れば...ね?(震え声)
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ディナイアルガンダム
脚がすらっと長くてカッコイイ。
エフェクトパーツもラメ入りで凄く綺麗。膝当てのクリアパーツ?どっかに行っちまったよ....(白目)
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足を加工してあるので接地性も申し分無し。
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ウイングガンダムゼロ炎。
とにかく厨二心をくすぐられる機体です。
クリアパーツもよく合っていますね。
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バスターソードの二刀流とか燃えまくりですよほんと。
元が作例というのがもっと凄い。
プロの実力を感じます。
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身体中の三ミリ穴、その殆どに全ての付属武装が積めるというのがHGBFらしくていいですね。
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フルバースト!
ミサイルポッドが前後共用なのが凄く好きです。
シンプルなデザインで稼動範囲も中々。

で、ここからはミキシング編。

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Gエグゼウル。
記念すべき(?)エアブラシ初挑戦です。
肩の接続パーツは破損してしまった為、AGE-1の物に取り替えてます。
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アヴァランチのダッシュユニットはデュナメスの肩基部と合わせて我ながら上手く使えたかなと。
ポージングもバッチリ。
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Gエグゼウルの後継機です。
製作当初はガンダム5号機を意識していたのですが、オリジナル性を突き詰めた結果このような感じに...w
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バックパックのロングヒートブレードがお気に入り。
何気に仮面ライダーバースのカッターウイングを彷彿とさせますね。
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最後にモンテーロ...ではなく、モンテーロとクリムジャハナムをミキシングしたオリジナル機体、モンテーロBB です。
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3RCのライバル機をと思い作りました。半額で売ってくれたトイザらスに感謝。
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最後は対決させて〆。

という訳で、最近作ったガンプラの紹介記事でした!
中々に楽しく振り返れたと思います。

さて、次回の製作機体はAGE-2を使いたいと考えている次第。
ダークハウンドを使うかノーマルを使うか...

プラフスキー粒子開発が待てなかったので専用機を作ってみた!2!

どうも、最近暑くなってきて毎日垂れてるODENです。
こうも暑いと冷たい物が食べたくなりますね。私は冷やし中華が大好きです。

さて、そんな事はさておき、今回は
前回のGエグゼウルに続き、オリジナルの機体を作ってみました。
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その名も「ガンダムAGE-1-3RC」!
3RCは「トライ・レッドカスタム」と読みます。
今回の機体はHG ガンダムAGE-1をベースに、Gエグゼウルのいいところを引き継いだ後継機_という設定でつくりました。
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前。
赤と銀を中心にエアブラシを吹いてます。
設定としては「AGEシステムより提示されたAGE-1の予備パーツとマッドーナ工房の協力により得られたパーツで組み立てられた幻の3号機」という物。
なのでAGEシステムは持たず、胸部のマークは蓋してます。
他には全身至る所にビルダーズパーツのMSアーマー01を貼りつけたり。
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上半身アップ。
原典機との差別化を図るべくアストレイRFのアンテナを貼り付けてます。
あと見辛いですが肩アーマーに「改」と「Ⅲ」のマーキングシール。
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背面。
こちらも原典機との差別化を図るべく、従来のバックパックを取り外してます。
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武装を取り外した状態。
かなりすっきりした見た目になります。
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武装一覧。
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ドッズガトリング。
AGE-1のドッズライフルから銃口部分を外し、HGBC ジャイアントガトリングからパーツを拝借してミキシング。
AGE-1のドッズライフルで得られた戦闘データをベースに作られた強化型試作兵器」という設定。
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プロト・シールドライフル。
AGE-1のシールドをそのまま塗り、余ったサーベル柄を背面に貼り付けてます。
よってサーベル刃の発振、そしてビームライフルとしても使用可能で、名前の通りAGE-1 グランサのシールドライフルの原型になったという設定。
あと「03」のマーキングシール。
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ロングヒートブレード。
ビルダーズパーツ、MSソード01をそのまま使ってます。
ジェノアスシリーズのヒートスティックの発展装備という設定。
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ロングヒートブレードをバックパックに取り付け。
ご覧の通りHGBC ガンプラバトルアームアームズの物を使用してます。
展開ギミックを活かし姿勢制御ウイングにも。
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メガフレイムランチャー。
HGBC メガライドランチャーをそのまま赤く塗った物で、設定としては「Gエグゼウルの背部メガランチャーを発展させたサポートメカ」というもの。

それではブンドドさせていきます!

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素体が変態可動な良キットなので可動面は申し分なし。
ガトリングも大きいのでポーズがバッチリ決まります。
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プロト・シールドライフルで。
こういうシールドからビームサーベルってロマンだよね....
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ロングヒートブレード抜刀。
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接近戦も抜かりなし。
背負い物が大きいので素立ちが少し難しいのはここだけの話w
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メガフレイムランチャーで一撃必殺。
最後の切り札的な武装なので全武装をパージしてから使います。
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赤い、ついでにオリジナル機体がムソウハクレイストライク、Gエグゼウル、そして本機と三機揃ったので、GBFTのOPのワンカットっぽく。
Oh Oh Oh Oh Oh♪
限界なんて〜♪
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最後はチームっぽく集合写真で〆。

という訳で、オリジナル機体第二弾「ガンダムAGE-1-3RC」でした!
Gエグゼウルの後継機として、納得のいくかっこよさに出来たかなと思います。

...と、主人公機を作ると、調子に乗ってライバル機も作りたくなってきてしまうのがODENの悪い癖です。
どんなのを作ろうかは大体決めてるんですが、いかんせん財布に余裕がない...w
ではでは。

おまけ

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Gエグゼウルの脚周りが寂しいかなと感じ、余ったGエグゼスのパーツで追加ディティールを作ってみました。
これでバランスは良くなったかな?

☆、コメントなど戴けると頑張れます!!



プラフスキー粒子開発が待てなかったので専用機を作ってみた!


ガンダムビルドファイターズ
自分自身が作ったガンプラで、様々なフィールドの元で戦う、どこか懐かしい(狂四郎的な意味で)SFアニメです。

そんなGBFの世界において、重要となってくるのがガンプラのプラスチックに反応する粒子「プラフスキー粒子」なのですが、残念ながら現在、その存在は確認されていません(当たり前だ)。

それでも開発なんて待っていられない!ガンプラバトルしたい!

と、いうわけで...
オリジナルの機体、作りました!
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その名も「GEX-O10-C Gエグゼウル」!
機動戦士ガンダムAGE」に登場するGエグゼスをベースに、パーツをミキシング、赤主体に塗装しました。
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前と後ろから。
今回は殆どを成型色に頼り、一部を塗っている感じになります。
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お顔。
AGE-1のアンテナを追加しています。
マーカーで塗装、レッドウォーリアみたいになりました。
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肩部には推進力を生み出すツインスラスターを搭載。アヴァランチエクシアのダッシュユニットにガンプラバトルアームアームズのスラスターパーツを追加しています。
ポリ可動により、展開も可能。
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肩基部にはデュナメスの物を採用。
これによりツインスラスターは軸可動、ポーズの妨げになりません。
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背部バックパックにはAGE-1 フルグランサのグラストロランチャーを搭載。
可動を考慮し、ウイング部分を取っ払ってます。
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オリジナルはバックパックにビームサーベルがありますが、本機は腰部に移動。
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シールド、
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ビームサーベル、そしてグラストロランチャーの4種類。

さて、ブンドドしていきます!

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オリジナルが滅茶苦茶可動がいいので、大抵のポーズはかっこよく決まります。
ウルフファングだってこの通り。
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マッドーナ工房が試作していた幻のMS...という設定ですが、あまり細かくは決めていませんw
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グラストロランチャー展開。
ツインスラスターはセンサー兼ランチャーの役割を持ちます。
どことなくAGE-3 フォートレスを彷彿とさせますね。
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以前作ったハクレイストライクと。
同じ赤でも戦闘スタイルは全くといっていいほど違います。
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最後はパージして〆。

以上、オリジナル機体「Gエグゼウル」でした!
元が優秀なキットなのもあり、中々楽しめた製作でした。

...うーん、早くこいつでガンプラバトルしてみたいなぁ....www

ではでは。


「アブソリュート・デュオ」の㷔牙《ブレイズ》を作ってみた!

君の盾 君だけの盾に僕はなろう(挨拶)

どうも、ODENです。

おでんさん、最近ハマっているラノベがありまして。

その名は「アブソリュート・デュオ」!

学園バトル物で、ラブコメ要素も満載。
最近ではアニメも放映されましたね。

で、そんな「アブソリュート・デュオ」の中で重要となってくる武器、それが「㷔牙《ブレイズ》」。魂を具現化した武器です。
様々なキャラクターが様々な㷔牙を具現化していく中、物語の主人公・九重透流の㷔牙は、通常具現化される事のない【異能《イレギュラー》】な【盾】の形を取りました。

...と、前置きはここまで。
今回は、その【盾】の㷔牙を作ってみたという記事です。

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さて、まずは大まかにラフ絵を描きます。使う素材はダンボール。小学生の工作ですね。
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次に、小さい試作品を試しに切ってみます。この時点ですでにバランスおかしいです。
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試作品を切り取ったら、いよいよ本番!
曲線に気をつけながら切り抜きます。
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こんな感じで、二枚切り抜いたら、次に塗装を施していきます。
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今回は、市販の油性マジックを使用しました。
そして、二枚を貼り合わせ、腕を通すバンドを作れば.....
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「㷔牙《ブレイズ》!!」
九重透流の㷔牙の完成です!
バンドにはマジックテープを使用しました。
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装着するとこんな感じ。
これで神滅部隊が来ようが何だろうが戦えますね!←

と、いうわけで「アブソリュート・デュオ」の㷔牙を作ってみた でした!
久しぶりの工作、中々に楽しめた気分です。

機会があれば、次は他の㷔牙も作ってみたいですね。

ではでは。



守護怪鬼装伝 第二話「鬼装」

はじめに
この小説には
・駄文
・自己満足
・厨二
成分が含まれます。以上の項目が大丈夫な方は、分量と用途を守って正しくゆっくりしていってね
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ネ友絵師の「(美麗)吉浦 未麗」さんが、扉絵を描いてくれました!大感謝!!
詳細は「あとがき」にて。

...

古より伝わる存在、【妖怪】。

 彼らは「善」と「悪」に別れるが、その内「悪」の妖怪は人々に【古怪】と呼ばれ、恐れられていた。

 しかし、そんな古よりの災厄を断つ「善」の妖怪も存在していたーー人々は彼らを【守護装妖怪】と呼んだのである。

...

守護怪鬼装伝
第二話「鬼装」

_朝だ。
 私はのっそりとベッドから起き上がり、自分がまだ昨日の服装のままだった事に気付く。
 どうやら疲れてベッドに突っ伏した結果、そのまま眠ってしまったようで、寝違えたのか身体の節々が少し痛い。
 「......ん....」
 新しい服に着替えつつ、私は昨日体験した奇妙な体験について思い出す。
 迷い込んだ(なのか?)真っ暗な空間、演劇のラストとあまりにも似た情景...演劇ならそこで終わるんだけど__私の目の前に現れた新たな景色は、私を襲いかけた「何者か」を張り倒す、青い影だった。
 とりあえず、薄れゆく意識の中で見たのはそれくらいで、他はハッキリとは覚えていない。
「...って、まずい!時間が...!」
 ふと、手元の目覚まし時計を見て絶句する。
 既に七時半を過ぎていた。
 定例発表会の会場が開くのは八時半
 急いだ所で間に合うかどうか...といった感じだ。
 慌てて演劇用の衣装をぐちゃっとバッグに突っ込み、勢いのまま階段を駆け下りる。
 いつもなら遅く起きてゆっくり過ごす筈の土曜だが...今日は別だ。
 綺麗に見える程度に歯を磨いた後、既に冷めかけていたトーストを引っ掴み口に詰め込む。
 そしてそのまま、戸を開け放って自宅を飛び出した。

...

「はばい....はばい....っ....!」
 トーストを咥えたまま一人、全力疾走。
 昨日も良く走ったなと内心溜息を吐きつつ、昨日の下り坂__今は、上り坂を駆け上がる。
 トーストに女子に住宅路...少女漫画なら、御約束の条件だ。
 上り坂を何とか上りきったあと、会場に着くまでに一つ、曲がり角がある。
 そこを曲がる事で、やっと会場が見えるのだが...ここまで来て、全て条件は揃ってしまったのだろう。
 そう、私は出会ってしまったのだ。【色んな意味での】運命の相手に。

...

 本を読んでいた。
 といっても、かなり古い。
 家に積んでいた蔵書から引っ張り出してきた物で、ガキの頃親父が好んでいた物でもある。

 __そんな親父も、もうこの世にはいない。
 親父どころか、母も、妹も、親戚も。
 __俺の一族は、現状、俺しかいなかった。
 無情にも血統とは、過去の宿命を強引に押し付ける物で、俺は仕方なく今の仕事をしている。
 規約も緩いので(というか家族がいないので)、仕事が無い日はこうして、なるべく【人間として】過ごしているのだが_
 本に気を取られ過ぎていたのがまずかった。
 普段、俺の一族は感覚が研ぎ澄まされ、僅かな生気でもそこから生物の気配を察知する事が出来る。
 この能力こそが、俺の一族の一番の強みだ。かくれんぼとかには滅法強い。
 ...いや、そんな話じゃなくて。
 問題は、その能力が【任意で発動する】という事にある。
 つまり、【何かに気を取られている時は発動出来ない】のだ。
 俺は本に気を取られていた為、その能力を発動する事が出来なくて_

 要するに何が言いたかったかというと、

_曲がり角で人とぶつかった。

...

「っ...たたた.....」
 何かにどつかれたような感覚。
 軽く尻餅を付いた所で目が醒めた。
 「あの、すいま....」
 _立ち上がった時、軽く言葉を失った。
 スラリとした出で立ちに、少し赤みがかった茶髪。
 着ている服は何故か和服で、古風な印象を感じさせた。
 というか、言葉を失った点はそこじゃない。
 「イケメン」だとか「美青年」だとか、そんなイメージが似合う男だったのだ。
「ふむ、どうした?ぼーっとして」
 その美青年に言われ、ハッとなる。
 少しばかり眺めていたなんて言える筈がない。
「え、いや、あの....」
 言葉に詰まる。
 そんな私を見た青年は、気にも留めずに私をスルー...

__って、あれ?

 普通、そこはそちらも謝る筈じゃ...?

「あのー....少しは謝罪くらい...」
 どうしてなのかは解らないが、足が彼を追っていた。
「はて、謝罪?...俺は【自分は悪くない】と思ったから、今こうして歩いているんだが」
...ムカッときた。
「ちょっと、常識って物は...」
と、少し口調を強めにして。
 対する青年は、
「さっき言ったぞ、謝る必要が無いと思ったから今歩いていると」
 と反省する気は微塵も持ってはいない様子。
 更にイラついた私は、何を思ったのか来た道を引き返していた。
 涼しい顔をしながら読書する彼を、速歩きで追っていたが為だ。
「あなた、日本人じゃないの?普通なら謝る所でしょ!」
「だから何度も....ふむ、確かに謝る所はあるな、【こんな面倒臭い事を引き起こしてしまった】っていう」
「だーかーらー!」
 本から目を離さない彼に更にイラつきを憶えながら、私はどんどん歩を速める。
 気付くと、何時の間にか小走りになっていた。
 青年の方も逃げるように速足になり、私との差が広がっていく。
 あとから知った事だが、既に発表会の会場からはかなり距離が空いていて_
 今は最早、会場の面影さえ認める事が出来ない。
「はぁ...はぁ...」
 どこまで走ったのだろうか。
 息切れを起こしフラフラと歩いた所で、やっと青年に辿り着く。
「つ、捕まえた....」
 振り向かせようと、青年の肩を掴んだ、その時だ。
「ちょっと、待て」
 青年が平手で、前に出ないよう止められる。
 丁度私が後ろにいるので、庇われているような状態だ。
「え...何?」
  疑問を口にしようとしたその瞬間、
辺りは暗く、包まれた。
「っ...これ...昨日の...?」
 昨日見た、真っ暗で、何もない、無の空間。
「っち....こんな時に...」
 舌打ちのような音が聞こえる。
「ってことは....まさか!」
 【まさか】というのには、理由がある。
 昨日迷い込んだこの空間に現れたのは、私を追って来たのは_
  青年が見据える方を向く。私は目の前の光景を目の当たりにし、絶句した。
 人間の手足に、鋭い爪や牙。顔の部分は狼のようになっていて、猫背に構えるそれは、中々にグロテスクな印象だ。
「こ....こいつは....!?」
 昨日の震えが、蘇る。
 手で、震えあがる二の腕を必死に抑え、二本の脚で踏ん張り、立つ。
 そんな時、目の前に立っていた青年は、言った。
「...こいつらは、太古より人間に危害を加えし存在、【古怪】」
「....え...?」
 急な喋り出しだったので混乱してしまっていたが、青年の声が妙に落ち着いている、という事だけはハッキリ解った。
「...そして、俺はそんな【古怪】と戦う為の存在...」
 私の前にすっくと立ち、腕を交差させる。
 途端に、得体の知れない恐怖が、私の胸中をざわつかせた。
 ぞくっと来るような、感覚。
「この男は、只者じゃない」と。
 彼の背中に、大きく「鬼」と光の文字が浮かび上がる。それは回転しながら青年の頭上に浮かび、青い火の粉を撒き散らした。

「....守護鬼装、鬼牙(オウガ)!!」

_代々受け継がれし、紺の鬼。

_ 金色のその三本角と、蒼く輝くその鎧は

_闇を弾く剣にして

_最強の称号を持ちし、守護装なり。

「あ、あなたは...一体...!?」
 収まるとそこには、既に青年の姿は無く。
 紺に染まった体色に、黄金色の三本の鋭利なツノ。
 昨日、私を救ってくれた、「青い影」そのものだった。
「話は後だ....ッ」
 そう言うと【鬼牙】と名乗った鬼は走り出し、目の前の狼男(外観でそう判断しているだけだけど)に詰め寄っていく。
 狼男は腕を振り上げ対抗しようとするが、鬼牙はそれを受け止め、勢いを活かし狼男ごと持ち上げ、地面に叩きつけた。
 起き上がり、必死な形相で迫る狼男。
 鬼牙は手間取る様子も無く、ひょいひょいと、軽い足取りで狼男の攻撃を躱していた。
「...凄い...!」
 この前は意識が途切れ途切れだったが故にハッキリ認識する事が出来なかったが、今度はこの目で確認出来る_いや、その目ですら追えない速さだった。
「....〆ッ!!」
 裂帛の掛け声と共に、鬼牙の右腕、握り拳が狼男の首元を貫く。
 そして、そのまま手首を捻り、突き刺した首元から、右拳を引き抜いた。
 堪らない一撃だったのか、狼男はその場に崩れ落ち、頭から斃れる。
 そして、数秒もしない内に、灰になった。
 気が付くと私は、その場にへたりと座り込んでいた。戦闘の迫力が圧倒的で、立ち上がれない程に。
「...大丈夫か」
 頭上から声が聞こえる。
 見上げると、先程まで【鬼】となっていた青年が、私に向かって手を差し伸べていた。
「....っ...立てるわ、これくらい」
 慌てて青年の手を払い、立ち上がる。
 辺り一面に暗かった無の空間は解除されたのか、目の前の景色は朝の住宅街に変わる。
「全く、何だったのよ......あ」
 そこまで言いかけた所で、バッグに手を突っ込み、スマホを取り出す。
表示された時刻は_八時二十分
 開場の、十分前だ。
 そして私、非常に今更だが、会場からかなり離れていた事に気付き。
「...うわぁああああああああああ!!!」
_絶叫。
  当然、事情を知らない青年は、私の突然の雄叫びにぎょっとし、身構える。
「...どうした?」
 聞いても何も変わらないと思うけど_そう思いながら、私は
「演劇の発表会の会場に間に合わないのよ...今から行っても...絶対...」
と。
 それを聞いた青年は、「ふむ」と考え、
「...道案内、頼めるか?」
 と、言った。
「え?そりゃ出来るけど....」
「よし、なら決定だ」
 そう言いつつ、青年は私に近付いてきて_
 次の瞬間、私は青年に【抱えられた】。俗に言えば、【お姫様抱っこ】。
「ちょ....えぇっ!?」
 あまりにも突然の出来事だった為に、混乱して現実の区別が付かない。
 不覚にも、顔が真っ赤になった感覚を、ハッキリと感じた。
「...しっかり掴まってろ」
 青年はそれだけ言うと、アスファルトの地面を蹴り、跳躍した。
 ...どうしてこうなった。
 私を抱えた青年は今、住宅街の屋根を跳びながら、真っ直ぐに進んでいる。
 忍者物の映画とかならありそうな光景だ_いや、そんな話じゃなくて。
「ど、どうなってるのよっ!?」
「どうなってるって、その会場とやらに向かってる訳だが」
「それはっ...それはわかってるけどっ!」
 私は今、そんな青年の首にしっかりと手を回している。
 そうでもしないと、バランスを崩して落っこちる。
 頰に当たる風は実際に空を飛んでいるような錯覚を起こし、今迄体験したどの絶叫マシンよりもスリルを感じた。
「お前、名は?」
 そんな中、私を抱えて跳ぶ青年が、前を見据えながらそう言う。
 聞かれて困る物じゃないので、私はとりあえず自分の名を名乗る事にした。
「...りゅっ....龍ヶ峰...閃っ!」
 風で掻き消されないように、しっかりと。
 「閃...か。俺は泡沫(ウタカタ)。【鬼】の...泡沫だ」
 泡沫と名乗った、鬼の、和服の青年は前を向きながら、ほんの少し、笑みをこぼした。

 会場に着き、私は降ろされる。
 なんて危険な思いをしたんだろう...と思いつつスマホを確認すると、八時二十五分。開場の五分前だ。
「っ....やばいっ!」
 入り口に向かい、走り出す。
 ふと後ろを振り向くと、泡沫が小さく手を振っていた。
 心の中でちょっとだけ「ありがとう」と思い、私は会場に飛び込んだ。
 会場に着いてからはこっぴどく叱られた。監督にも、部活仲間にも。
 でも、間に合ったから十分、と見逃してくれ(?)、演劇は無事、開演。
 兎にも角にも、私は上々の結果を上げられたと思う。
 だって、「頑張った」って思う気持ちが、胸の中にはあるから。
_しかし。
 家に帰る頃には、そんな気持ちは既に薄れかけていて。
 しつこく頭の中によぎるのは、青と金のあの鬼と、泡沫が僅かに見せた、小さな笑みだった。



あとがき

 という訳で、「守護怪鬼装伝」第二話でした!
 今回いよいよ(まだ二話目だけど)物語の主軸である「守護装妖怪」である「泡沫」が登場、ヒーローである「守護鬼装 鬼牙」という名前も現れました。
 問題はここからです。果たして、ODENはgdらずに書き切れるのか...?
 はい、とまあ、そんな感じです。←
 で、あと、もう一つ。
 今回から、知人のネ友絵師「(美麗)吉浦 未麗」さんに物語の扉絵を描いて頂く事になりました!
 記念すべき初イラストは、物語のヒロインであり主人公、「龍ヶ峰 閃」
ちゃん!
 私の脳内妄想イメージにピッタリで、非常に感動しております。
 これからも女キャラはどんどん登場させるつもりですので、こんな奴ですが、ゆっくりのんびりと、よろしくお願いしますね!
 と、いうわけでお送りした「守護怪鬼装伝」第二話、次回の更新はまた不定期になりますが、ゆっくり気長に見守っていただけると、幸いです。

ではでは。

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守護怪鬼装伝 第一話「怪夜」

はじめに
この小説には
駄文
自己満足
厨二(重要
成分が含まれます。以上の項目が大丈夫な方は、分量と用途を守って正しくゆっくりしていってね

...

 古より伝わる存在、【妖怪】。

 彼らは「善」と「悪」に別れるが、その内「悪」の妖怪は人々に【古怪】と呼ばれ、恐れられていた。

 しかし、そんな古よりの災厄を断つ「善」の妖怪も存在していたーー人々は彼らを【守護装妖怪】と呼んだのである。

守護怪鬼装伝
第一話「怪夜」

 私は走っていた。
 暗いトンネルの中を、必死に。
 消えかかった電飾は不気味に点滅を繰り返し、安全かどうかも定かではないといった感じだ。
 暗闇の中、尚も私は走り続ける。
 「何かに追われている」...そんな直感が、頭の中を駆け巡っていた。
 「はぁっ....はぁっ...」
 さほど運動が得意でもない私はすぐに息切れを起こし、その場で立ち止まる。
 本当は立ち止まっちゃいけないのに。
 私を追って来た「何者か」は、舌舐めずりと思われる不快な音を立て、ゆっくりとこちらに向かって来る。
 次の瞬間、「何者か」は私の目の前に立っていてーー
 その鋭い腕を、振り上げた。

...
「....うーん、これで大丈夫かしら」
  辺りが明るくなり、私の目は眩む。
  目の前には歪で醜い姿をした怪物ーーの被り物がいた。
「良かったよ、ナイス演技」
 声をかけられ、私はスポーツドリンクを手渡される。
「これで最後のシーン...だから、明日の本番には間に合うわ!」
 周りから歓声が湧き上がる。
私は一口スポーツドリンクを口にしてから、セットがあるその部屋を出て行った。

...

「ふう....」
 セットがあった、ホールの外。
通路の中で、スポーツドリンク片手に、一人。
 ...あ、ここに書くのが遅れたな...私は龍ヶ峰 閃(りゅうがみね せん)。ごく普通の女子高校生だ。
 演劇部所属の高校三年生で、可もなく不可もない、平凡な毎日を送っている。
 唯一の特徴は透き通るような青髪で、これは母譲り。
 背中辺りまで届く長い髪を、一つに縛ったような感じ。ポニーテールと言えばいいだろうか。
 で、そんな私は今...今度開催される演劇部の定例発表会の主役を任されていた。
 題材はずばり「妖怪」。
 古くから伝わる妖怪が、現代に現れたら...という感じだ。
 と言っても明るい物じゃなく、悲しいシナリオが大好きな監督のおかげで最終的にはバッドエンドになるんだけど。
 まあ...でも、年に指で数える程しかない定例発表会で主役に抜擢されただけで、私は満足していた。
 勿論、主役としての責任感と共に。

...

 開演を明日に控え、今日はしっかり休むようにと監督から言われた後、部活は解散となった。
 私は少し派手な衣装から無機質なジャージに着替え、ちょっぴり軽い足取りで学校を出る。
 なんてったって、私が主役の演劇は明日発表なのだ。観客の歓声と拍手が楽しみで心踊るのは至極当然と言っても過言ではない。
 夕焼け空の中、私は帰路についていた。
 少し急勾配な下り坂をゆっくり歩き、ふと、私は後ろに振り返る。
 目の先には、豊かな緑に囲まれた大きな山。
 私が住む街・怪夜市は、中心に聳える大きな山が特徴的で、街の至る所に緑が生い茂っていた。
 少し古風な建物もちらほらと目に入り、口コミではちょっとした観光スポットとして知られているんだとか。
 それもそのはず、怪夜市の中心にずんぐりと佇む大きな山には、「妖怪が住む」という変な噂が立っているのだ。
「山菜を採りに行く途中、奇妙な青い影を見た」だとか、「自分より遥かに大きな図体をした怪物に襲われかけた」だとか、街の住人からはそんな話が発せられる。
 となると、オカルトだとかそんなのが好きな他所の人はすぐさま集まってくる訳で...
 まあ、私はそんなのは信じないんだけど。
 最も、あんなに大きい山なのだから、妖怪がいるならすぐに見つかってもいい話だ。
 多分、証言は人から人に伝わって拡大してしまったんだろう。
 明日の定例発表会の題材もそのまま「妖怪」だが、今時そんな古風な存在がいるとも考えにくかった。
「...って、こんな所で何考えてんだろ、私」
 山を見つめたまま立ち尽くしていた私は少し頭を掻くと、再び自宅に向かって歩き出す。
 最後の練習で詰めに詰めた為に、私の身体は既にヘトヘト、早く帰ってすぐさまベッドに飛び込みたかった。
 そうと決まったら有言実行、善は急げ。私は早くに自宅の戸を開けるべく小走りになる。

 そんな時だ。

「......あれ?」
 辺りが暗くなっていた。
 可笑しいなと思いつつ、スマホを取り出し時間を確認すると、まだ十八時だ。冬でもないし、外はまだ明るい筈ーー
 そう思った次に私は、方向感覚を失っていた。
 そう、【周りに何もなかった】のだ。

 とにかく、黒、黒、黒。
 見渡す限り真っ暗で、私以外誰も、何も無いーー「無」の空間。

「ちょ、え...!?」
 予想外(始めから予想なんてしてなかったけど)の展開に混乱しながら、私は走った。
 得体の知れない恐怖に身を震わせ、行き先もわからないまま。
「ここは、何処なの.....!?」

 驚きと、不安が混じった言葉が、口から流れた時。

「...久々の女だら....しかも、特別に上級だら」

 低い声が、耳に入った。

 次に、鼻にツンと来るような、不気味な異臭。
 次の瞬間、私は本能的な危険を察知し、弾けるように飛び出す。

 真っ暗な空間は制限無く無限に広がっているようで、走っても走っても終わりが見えない。
「はぁっ....はぁっ....」

 ....あれ?この光景、何処かで見たような....
 ーーそうだ。先ほどまで練習していた、演劇の最後のシーン。
 主役の少女である私は走り続け、息切れして、立ち止まって、そしてーー
「....!」
 気付いた時、私は立ち止まってしまっていた。
 はあはあと息切れを起こし、手のひらを膝に付けて。
 低い唸り声と共に、私を追ってきた「何者か」は舌舐めずりと思われる不快な音を立て、ゆっくりと近付いて来る。
 余りにも演劇と似た光景で、本当に現実かと見間違う程だった。
 神経が麻痺を起こし、私の意識は途切れーーぱったりとその場に倒れ込む。
 薄れゆく意識の中で見た景色は、目の前に迫った「何者か」の鋭い腕。

「もう...駄目なのかな」

 「諦め」という負の感情が精神を支配し、私はその目を閉じかけたーー

 その時だ。

 私の前に立つ、青い影。
 ヒトのような姿をしているが、その体色は深い青で、頭頂部には三本の鋭利な角が生えている。
どうやら覆面のようで、その表情は窺い知れない。
 その青い影は...立っていたのでは無く、既に宙を舞っていた。
 私を追っていた「何者か」は私ではなくその青い影に身体を向け、煩わしく思ったのかその腕を振り上げる。
 しかし、「何者か」の腕は虚しくも宙を掻いた。
 その理由は至って簡単、単純。
 青い影は、既に「何者か」の背後に迫っていたのだ。
「..........っ!」
 青い影は音も無く「何者か」の腹部に右腕を突き刺す。
「...おのれ....!」
 悲鳴混じりの声を耳にも留めず、青い影は突き刺した右腕を引き抜く。  すると、さっきまで吼えていた「何者か」は灰に変わり、風に流れて消えた。
「..........」
 倒れている私を、その青い影はゆっくりと見下ろす。
 次こそ本当に、私の意識は途切れた。

...

 気が付くと、私は自宅の目の前で寝転んでいた。
 のそりと起き上がりスマホを確認すると、丁度十八時半。
「...夢、だったの?」
 私がさっき見た...筈の、あの怪物と、私を救ってくれた、あの青い影は。
 「.........」
 考えていても仕方ない。
 私は気を取り直し、自宅の戸を開ける事にするのだった。

...

 自宅に入る青髪の少女ーー龍ヶ峰 閃を、高台から見下ろす男が一人。
 いや、男と言っても、その姿は人間と捉えるには少々難があった。
 艶があり、鈍く光る深く青い体色、風に靡く廃れた白い布、そしてーー頭頂部に輝く黄金色の三本角。
 ...その姿は、正に【鬼】そのものだったのである。
 【鬼】の姿をした男は一人頷くと、高台から跳び上がる。
 家々の屋根伝いに進む先はーー怪夜市中心に聳える、大きな山だった。


続。
 

あとがき。

...という訳で、ちょっとした前振りのみで始まった「守護怪鬼装伝」第一話、如何だったでしょうか?

私自身、もう「なるようになれ」といった感じで、どれだけ進められるか試行錯誤の途中です。

次の更新はネタが纏まってからになりますが、その時はまた読んでいただけると嬉しいです。

ではでは。

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